前回にひきつづき、静止画を動かしていこうと思います。
ようやく最後のパートになりました。あともうちょいですのでガンバ大阪。
前回はこちら
初回はこちら
それでは、以下つづきです。
8:カメラをつかって動かす
ディスプレイスメントマップでも動きましたが、今回はもっと動いてるのをわかりやすく見せるため、カメラを使って大胆に動かしたいと思います。
といってもディスプレイスメントマップみたいに人物の目や鼻の位置が大きく動く、なんちゃってLive2Dみたいな動かしかたではなく、もっと普通に、遠近の違いで立体感を見せていきます。
カメラの追加
ディスプレイスメントレイヤーと人物レイヤーと灰色レイヤーと背景レイヤーを3Dレイヤーにします。箱の列のチェックボックスをクリックすると図のように箱が表示されます。
あとディスプレイスメントレイヤーは非表示にしてください。
そのあと上の画像でいう『元画像、予備』の下のなにもないところを右クリックして
新規>カメラを選択します。別ウィンドウがでてきますが、何も考えずにOKします。(元動画は被写界深度を切ってましたね)
カメラを動かす、ヌルオブジェクトの追加
そのあとヌルオブジェクトを同じようにつくります。このヌルオブジェクトはカメラのコントローラーの役割を果たしています。
新規>ヌルオブジェクトを選択。3Dレイヤーにして、カメラを子にします。
ここまででこうなります。
各画像の位置調整
背景レイヤーのz軸の値を大きくして遠くにやり、代わりにスケールを大きくします。
背景レイヤーを選択し、pキーを押します。すると値が3つ出てくるので、一番右の値をどんどん大きくしていきます。すると背景レイヤーが後ろにいきますね。
1500くらいまでさげたら、今度はスケールを大きくするのでsキーを押してください。
スケールは、前に設定した15%になっています。これを画面よりもちょっとはみ出るくらいに大きくします。
カメラの角度を調整
それからヌルのY回転の値をいじってみますよ。
ヌルのレイヤーを選択してRキーを押し、Y回転の値をいじると……
……どうでしょうか。背景と人物の動く量が異なり、立体感が生まれると思います。
ヌルの値をいろいろいじると面白いですよ
なんでそうなるかというと、いまこういう配置になっているからです。
薄紫色の四角形が背景ですね。その手前に人物があります。それを遠くからカメラが捉えていて、このカメラが動くと、背景も人物も動くのですが、手前にある人物のほうが動く量が大きいので立体感が生まれるというカラクリです。
新幹線に乗った時、手前の電柱などをビュンビュン通りすぎるのに、遠くにある富士山はほとんど動かない、といった経験はありますでしょうか。あれと同じ原理です。
このようにAE上の3D空間に各レイヤーを置くことで、カメラを通したときに遠近がついた画が作れるようになります。
いままで自分が何をやってきたか、なんとなく合点がいきましたでしょうか。
9:キーフレームを打つ
あとはもうキーフレームを打つだけで完成です。
キーフレームを打てるパラメータ?にはストップウォッチみたいなマークがあります。それを押すと、そのフレームにそのパラメータが記録されます。画像では今、0フレームにY回転のパラメータ、4度が打たれております。
キーフレームは2つ用意しないと基本変化しないので、20フレームくらいにキーフレームを打ちましょうか。バーを動かして20フレーム目に行き、Y回転の値を-4度とかに変更してみて下さい。
バーをもう一度0フレーム目にもっていき、Spaceキーを押せばプレビューされて動き始めるかと思います。
あとは意図した動きになるように、お好きなフレームにキーを打って自分だけの立体写真を作りましょう。
ここでもコツはやりすぎないことです。
(僕のGIFはちょっとやりすぎ感ありますが……)
ディスプレイスメントマップのほうにもキーフレームを打ち、いい感じに仕上がれば完成です。
イージーイーズにしておけ
余談ですがキーフレームを打っただけだと、微妙に動きが固いので、イージーイーズをほどこしてあげましょう。Y回転のキーフレームをすべて選択してWinならF9を、MacならCmd+F9を押してください。するとキーフレームとキーフレームの間の移動の、最初と最後の動きが詰まるかと思います。これでだいぶ印象変わると思います。
このイージーイーズというか、キーフレームのアニメーションは僕も苦手で、ここが自由自在に操れると気持ちのよい動きを作ることができます。今回はそこらへんに関しては割愛しますが(というか僕の引き出しがない)興味があれば調べてみてください。
そして僕に教えてください。
10:書き出し
さて思い通りのものができたらば書き出しです。
GIFへの書き出しは、僕も最近やりはじめたので一番良い方法を模索中なのですが、いまのところの方法を書いておこうかと思います。
レンダーキューに完成したコンポジションをドラックアンドドロップします。
レンダーキューがない方はCtrl+Alt+0を押せば出てくるはずです。
出力モジュールをPhotoshopに、出力先をクリックして保存したい場所にフォルダをつくって、その中に保存するようにしてください。ここ適当にすると、デスクトップ一面にPhotoshopファイルがずらっとならぶ、なんてことになりかねません。
吐き出せたらPhotoshopに戻ります。ただいまPhotoshop。
ファイル>開くより、先ほどのpsdデータを選びます。一番はじめのものだけ選択すれば大丈夫です。その際、画像シーケンスにチェックを入れてから『開く(O)』を押してください。
フレームレート設定のウィンドウが出てきますが、30fpsで作っているはずなので、30fpsでOKです。
開いたらまたファイルから『Webおよびデバイス用に保存』を選択してください。
各種設定は下の画像を参照してください。ループを無限にすることを忘れずに。
知覚的か特定か、バイリニアかそれ以外かなどはその画像によっていろいろ合う合わないがあるので、自分が一番いいと思った設定にしましょう。
あとは保存を押せば出来上がりです。
いまのところ、僕はこれでGIF画像を書き出してます。もっとクオリティ高くてサイズが圧縮できる方法をご存じの方いらっしゃったら教えてください!!
未対応のファイルと言われないかい?
すでにその対策は打っております。ニヤリ
こちらの記事をご覧くださいませ。
劇的ビフォーアフター
最後にもう一度変更前と後を見比べていきます。
元写真
ディスプレイスメントマップ
ディスプレイスメントマップ+カメラ
まとめ
あれ?でもYoYoYoYの文字と女の子の周りに飛び交ってるやつは?とお思いの方いらっしゃるかと思います。
これは僕がアレンジしたものなので、動かすという趣旨に反するので別記事にしたいと思います。
ここまでで写真は動くようになるので、とりあえず目的は達成されたのではないかと。思いますが、いかがでしょうか。
ここまでご覧になったかた、どうもありがとうございます。お疲れ様です。
長くなりましたが、大事なのは人物の切り取りを上手くするのと背景の修正を上手くするのと輝度画像を上手く作るのとキーフレームの打ち方を上手くすればよいということです。僕はそれができないのでいつまでたってもアマチュアの域から出られません。
みなさんもぜひ写真を動かして友達をあっ驚かせましょう。
今回のお相手は、UTworks・織田檸檬でした。
そりでは~。
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